2025年11月
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トイレ配管水漏れの初期サインを見逃すな
トイレは家庭内で最も重要な水回りの一つですが、その床下や壁内には複雑な配管が張り巡らされており、見えない場所でトラブルが進行していることがあります。特に配管からの水漏れは、発見が遅れると建物の構造自体に深刻なダメージを与えかねない危険な兆候です。床にじわじわと広がる原因不明の水たまり、便器の根元にできた不自然なシミ、水を流した時以外に聞こえる「シュー」という異音。これらは全て、配管からの水漏れを示す初期サインかもしれません。水漏れを疑った際にまず確認したいのが、水道メーターです。家中の蛇口を全て閉めた状態で、メーター内にあるパイロットと呼ばれる円盤が回転していれば、どこかで漏水している可能性が極めて高いと言えます。漏れている水が透明で臭いがなければ、タンクへきれいな水を供給する「給水管」系統のトラブルが考えられます。逆に、水に色が付いていたり、下水のような悪臭を伴ったりする場合は、汚水を排出する「排水管」系統からの漏水が疑われ、より緊急性の高い事態です。配管からの水漏れを放置すると、漏れた水が床下の木材を腐食させ、床が抜け落ちる原因になったり、カビやシロアリを発生させたりします。マンションなどの集合住宅では、階下の部屋にまで被害が及び、高額な損害賠償問題に発展するケースも少なくありません。ほんの僅かな滲みだからと軽視せず、異変に気づいた段階で迅速に原因を特定し、専門家へ相談することが、住まいと財産を大きな被害から守るための最も重要な第一歩となるのです。