洗面台の排水管は、洗面ボウルで使われた水を下水道へ流すための重要な役割を担っています。その構造を理解することで、どこから水漏れが発生しやすいのか、そしてそれがなぜ床下への影響につながるのかが分かります。一般的な洗面台の排水管は、洗面ボウルの底にある排水口から始まり、ストレートのパイプ、そして「トラップ」と呼ばれるS字やP字に曲がった部分を経て、床下や壁の排水管へと繋がっています。このトラップ部分は、常に一定量の水(封水)を溜めておくことで、下水道からの悪臭や害虫が屋内に逆流してくるのを防ぐ役割をしています。洗面台の排水管で水漏れが発生しやすい箇所は、主にこの排水経路における「接合部分」です。まず、洗面ボウルの排水口とストレートパイプを繋ぐ部分です。ここはパッキンによって密閉されていますが、パッキンの劣化や取り付け不良によって水漏れが発生することがあります。次に、排水トラップの各接合部です。S字やP字のカーブを形成するために複数のパイプが組み合わされており、それぞれの接続部分がナットで締め付けられています。これらのナットが緩んだり、内部のパッキンが劣化したりすると、水の通り道に隙間ができ、水が滴り落ち始めます。特に排水トラップはゴミが溜まりやすい箇所でもあるため、詰まりが発生すると管内部に圧力がかかり、接合部からの水漏れを引き起こすことがあります。さらに、排水トラップから先の、床下や壁の排水管との接続部分も水漏れが発生しやすい箇所の一つです。ここは比較的見えにくい場所にある上、床下という空間に繋がっているため、水漏れが発生しても気づきにくく、そのまま床下への浸水につながってしまうリスクが高いです。この接続部分のパッキンの劣化や、排水管自体のひび割れや破損なども水漏れの原因となります。