それはある平日の朝、いつものようにトイレを使い水を流した瞬間のことでした。普段なら静かに水が引いていくはずが、その日に限って「ゴボゴボッ」という今まで聞いたことのない不気味な音を立てたのです。一瞬何が起きたのか分からず、便器の中を覗き込むと、溜まっているはずの水が明らかに普段より少ないことに気づきました。水位が異常に低いのです。すぐにスマートフォンで「トイレ ゴボゴボ 水位低い」と検索し、これが排水管つまりの典型的な初期症状であることを知りました。我が家も築年数が経っており、見えない排水管に汚れが溜まっていても不思議ではありません。まずは自分で何とかしようと、物置からラバーカップを引っ張り出してきて試みました。説明書き通りに何度か力を込めて作業をすると、一瞬だけ水位が元に戻ったかのように見えましたが、期待を込めて再度水を流すと、またしても虚しくゴボゴボと音を立てて水位が下がってしまいました。これは素人が対処できるレベルではないかもしれない、という不安が胸をよぎりました。万が一、このまま放置して汚水が逆流でもしたらと考えると、いてもたってもいられなくなり、その日のうちにインターネットで評判の良さそうな水道修理業者に連絡することに決めました。到着した作業員の方に高圧洗浄機で配管内部を洗浄してもらうと、長年蓄積したであろう頑固な汚れの塊が排出され、あれほど悩まされたゴボゴボ音は嘘のように消え去りました。この一件を通じ、トイレが発する些細なサインを見逃さず、問題が小さいうちに専門家の助けを借りることの重要性を身をもって学びました。